こちらでは、板金加工で用いられることがある鉄についてまとめています。鉄素材の特性や加工方法なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
鉄は、地球上のさまざまな場所に存在する金属で、現在では幅広い場面で活用されています。板金加工においても鉄を活用した金属素材が多く利用されますが、製造が困難な純鉄が金属素材として使われることはとんどありません。
板金加工に用いられる鉄素材は鉄鋼材が中心です。鉄鋼材は、鉄と炭素の合金である炭素鋼が基本で、代表的な鉄鋼材には「SPHC(熱間圧延鋼板)」「SPCC(冷間圧延鋼板)」があります。
板金加工で使われる鉄は、一般的に鉄と炭素を合わせた鉄鋼材が中心です。純鉄と違い、鉄鋼材は加工しやすく低コストであるなどのメリットが多い一方、デメリットとして錆びやすい一面もあります。
SPHC(熱間圧延鋼板)は加熱した鉄鋼材に圧延加工を施すことで製造された素材で、ローラーの間隔を調整することで板厚を変更できます。連続して均一な素材を加工しやすいのが特徴で、板金加工の分野では汎用的に使われています。
メリットは熱延加工に必要なパワーを抑えやすいことで、900~1200度という再結晶温度よりも高い温度で加工されるため加工硬化を生じさせない点が挙げられますが、デメリットには圧延加工時の熱エネルギーを発生させるためのコストや環境が欠かせないことなどがあります。
SPCC(冷間圧延鋼板)は延加工の際に加熱せず、室温環境や常温下で鉄鋼材を引き延ばした金属素材です。SPHCと比べて低温下で作業できることが特徴。SPCCも、SPHCと同じく板金加工の鉄鋼材として汎用的に使われている素材です。
メリットは、加熱用の設備や環境が不要という点と、熱膨張と収縮という過程を経ないので想定寸法と仕上がり寸法に誤差が生じにくい点です。一方、圧延加工に必要な物理エネルギーが増大することや、加工硬化が発生する可能性があるなどのデメリットがあります。もし加工硬化が発生してしまった場合、改めて焼き鈍しなどの熱処理工程を施さなければならず、素材製造や加工の手間が増えてしまう恐れがあります。
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